銀河鉄道の夜

先日、テレビで宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』が取り上げられていました。初めは真剣に見ていたわけでなく、BGMのように流れていたといった感じだったんだけど、「実はこの物語の舞台は外国ではなく日本なんです」という声が聞こえて、思わずテレビの前に行きました。昔、読んだことがあるけど、登場人物は日本人じゃなかったはずです。「さぁ、日本のどこでしょうか」「それは岩手県なんです」もう他のことをしてはいられませんでした。その後は、ソファに座って本格的にテレビを見てしまいました。まさかの岩手県? 意外だとの思いでいっぱいでした。なんせ、主人公は『ジョバンニ』でその友人は『カムパネルラ』ですから。テレビの解説では、私が知らなかった物語の真実が語られていました。観終わった時には、頭の中はもう『銀河鉄道の夜』のことでいっぱいでした。最近はつい話題になっている現代の作家さんの小説ばかりを読んでいました。失礼だけど、「中学生じゃあるまいし、今さら宮沢賢治なんて」といった気持ちもありました。でも、ちゃんと読めていなかったみたいです。
そういえば、テレビで話していたことで、「そうだったのか」と思ったことがあったんです。実は随分前に、友人とふらっと入ったオシャレなバーがあるんですけど、そのお店の中には宮沢賢治にまつわるものがたくさん置いてあったんです。マスターがファンだからって。そして、お店の名前が『イーハトーブ』でした。それって、宮沢賢治の造語で、理想郷を意味している言葉なんですって。それも岩手県がモチーフらしいんです。今、私の最大の興味は『宮沢賢治』以外の何物でもありません。

歳を重ねても現役

先日、84歳になっても現役の女医さんについての記事を読みました。84歳になっても現役の産婦人科のドクターであって、介護施設の施設長でもあるんだそうです。そして、記事にはその先生の「どんな形でも医者として人の役に立ちたい」という強い思いが書いてありました。そして、自分も死ぬ瞬間までそうありたいと思うのは、人生の理想をしている2人の医師がいるからなんだそうです。尊敬するその二人は最後の最後まで診察をしていたと書かれています。そして、彼女は老いてからの人生を愉しむために、仕事以外ではオシャレもするんだそうです。とっても素敵な生き方です。以前、高齢になっても現役で診察を続けている別の女医さんのことも何かで読んだことがあります。その人は午前中は診察をして、午後は自分の時間を楽しんでいると書いてありました。読書が大好きで、毎月かなりの数の本を読んでいらっしゃいました。確か、絵も描いていたような……。歳を重ねても常に好奇心が旺盛であることが、きっと生きる活力になっているんですね。記事には瀬戸内寂聴さんの生き方に共鳴するとの記述があって、自分も寝床からでも電話相談を受けることができると思っているんだそうです。本当に素晴らしい人は年齢には屈しないですね。『人の役に立つために生きて、自分の人生も愉しむ』そんな人生の大先輩を見習いたいですよね。

不思議な『ドッペルゲンガー』

いつか読んだ本に世の中には自分とそっくりな人がいると書いてありました。自分の分身とも呼びたくなるようなそっくりな人に遭遇することをドイツ語で『ドッペルゲンガー』と言うんだそうです。日本語では『他人のそら似』と訳されていましたけど、若干雰囲気が違う気がします。けど、本当に自分と瓜二つの人なんているのかな。もし、いたとして、その二人が偶然に出会うということ。そんな体験は、それこそとんでもなく少ない確率なんだと思います。
実は先日、イギリスで起きた『ドッペルゲンガー』体験の記事を読んだんです。ロンドンからアイルランドへの飛行機で隣同士になったふたりの男性のお話です。その二人は髪の色、歯並び、服の色、髪型、ひげの伸ばし方など、何から何までそっくりだったんだそうです。あまりのそっくりぶりに機内は笑いと興奮に包まれたと書いてありました。さらに、アイルランドで予約していたホテルまで同じだったんですって。これはもう偶然なんていう言葉では表されないですよね。双子が離れていてもお互いのことがわかったり、好みが似ていたりするのは耳にしたことがあります。それだって不思議だけど、遺伝子からくる何かが原因なんですよね、その場合。けど、他人ですよ。神秘的です。まだまだ科学では解明できないことって沢山あります。

入社試験いろいろ

最近の企業は、ありきたりでなく他とは異なった独特の入社試験を実施しているところもあると聞いたことがあります。それによって人物の柔軟性や発想力などを見るようなんです。私が以前何かの記事で読んだ時には、応募するときに写真だけでなく動画を撮影して送るといったものやツイッターのフォロワー数が何人以上という条件がある会社などがありました。また、インターンシップで有利になるとか、もしくは、インターンシップでのみ採用する、などもあるんです。それに、イマドキだなって思うのは、ブログ執筆に関する条件などです。特にIT関連やベンチャー企業に多いみたいです。
でも、「へぇ」って感心してしまったのが、あ、これ、実は小説の中のお話なので、現実にはあるのかどうかわからないんですけど、「いかにも」といった感じでありそうです。主人公が「こんな入社試験なんて……」と言っていた試験があります。それは、歌の1番の歌詞が書いてあって、その続き、「2番の歌詞を自由に書きなさい」という問題だったんですって。そして、もう一つは、問題用紙に文章が書いてあって、それが『起承転結』の『起』の部分で、「その続きの『承転結』を考えて書きなさい」というものだったんだそうです。ユニークですよね。けど、得手不得手に関わらず、その人の人間性が分かる気がしますよね。まぁ、あくまで小説ですけど。

イチゴ続きです

先日、お仕事でお世話になっている人と職場の人といっしょ居酒屋さんに行く機会がありました。前日にお酒を抜いているから、すごく美味しいと喜んでいる先輩がいました。男性陣は、みんなビールから始まって、焼酎、日本酒とぐんぐん進んでいきました。飲む前にウコンを飲んでいるから大丈夫なんて話しています。気休めじゃないのかな、なんて思えてしまうんですけどね。そんな感じでわいわいとやっていた時に、アボカド専門店をやってる人が、アボカドと『あまおう』をミックスしたドリンクを売るという話から、イチゴの話になりました。私もイチゴは大好きです。でも、『あまおう』は高いねっていうところから始まって、そもそもイチゴは1パックいくらだったら安いか高いかという話題になりました。スーパーでもその値段で買うのを躊躇したりしますもの。そしてら、九州から来ていた人が、「イチゴはもらうものだと思ってた」なんて言い出しだんです。周りにたくさん農家があって、親戚にも農業をやってる人がいるから、野菜でも果物でももらうことが多いんだって。なんて羨やましいお話でしょう。
そんなことがあって、なんだかイチゴが食べたいなぁって思ってたら、またしてもそんな話題に遭遇です。今度は、今読んでる小説の中に出てきたんです。「田舎から送ってきたから、みんなで食べよう」って。『つぶつぶの肌が水をピンピンはじいてる』なんて表現には完全にやられました。少しくらい高くても、もう買っちゃいます。

思いを馳せる学生時代

時々、何かのきっかけで子供の頃のこと、学生時代のことを思い出します。いつか何かで読んだように、思い出はいつのまにか本当に美しくなっているものですね。時のおかげで、全てがキラキラしたものに変化しています。
今、読んでる小説の主人公や登場人物はほぼ大学生です。色んなタイプの人がいて、それぞれ生き方が異なります。それを読んでいると、思い出すのはやっぱり自分の学生時代のことです。あんなことがあったなぁ、こんなこともあったなぁって、過去の自分へと思いを馳せてしまいます。登場人物の中の一人にすごく親近感を覚えたり、他の人物には友人を重ねてみたりと、なんだかストーリーを追っているのか、自分の学生時代との共通点を探しているのか、どっちが主なのかといった感じです。でも、大人社会の小説は知らない世界に入り込めるし緊張感や緊迫感があったりするのが魅力なんだけど、こんな風な物語もいいですよね。自分が通って来た道だから、「うん、わかる、わかる」と頷けることも多いですしね。けど、大人になって思うことは、やっぱり学生時代は気楽な日々だったなってことです。毎日、なんて楽しいんだろうって思っていましたもの。戻りたいとまでは思わないけど、もし戻れるなら、もっともっと色んなことに挑戦しても良かったなって、欲がでます。小説の中で登場人物たちは悩んだり衝突したりするけど、それでもやっぱりキラキラしています。

吉方位って信じる?

『今日の運勢』を出勤前に見てしまうと、普段、「占いは信じない、それでは動かない」と明言していても知らず知らずのうちに気にしてしまいます。注意した方がイイと言われたことは注意しようと思うし、いけないと言われたことは避けようと思ってしまいます。ただ、それで物事を決めようとは思わないんですよね。意外にも世の中には、政治家や会社経営者であっても、占い師に相談して何かを決める人が多いんだそうですね。
先日、それこそたまたま見かけたコラムが心理テストについて書いてあって、『気になる事と方位』について解説してあったんです。コラムの中に、『今、一番気になることは?』という質問があって、その答えの選択肢が4つありました。その4つそれぞれに、解消するために最適な『方位』と対処方法が書いてあるんです。普通の占いと違って、心理テストとなれば、なんとなく信頼できるように思います。もちろん、占いが信頼できないと言ってるんじゃないですけどね。まぁ、結局、心理学も占いも統計学だから、そういう意味では信頼できなくはないんですよね。
そして、読んだからには、そのテストもやってみました。だから、私が気になることを解消するという方位も確認しました。けど、その方位が北西と北だったんだけど、「うーん」という感じです。そっちに誰かに出会えるような場所ってあったかな。それを調べるところから?と考えると、実行に移すのにはちょっと時間がかかりそうです。

オフィス街の鳥たち

ここ数年思ってたことは、なんだか最近スズメってあんまり見かけないなぁっていうことです。子供のころはもっと沢山いたような気がするし、以前は電線にズラーっと並んでとまっていた記憶があります。それこそ、昔話には人と生活を共にしていたというくらい身近な存在として登場しています。子供のころに読んだ物語には普通に出て来ていましたもの。
特に私の職場付近ではオフィス街だからかあんまり姿を見ません。繁華街にはいるんでしょうか。でも、なんだかイメージが浮かびません。けど、職場の最寄り駅の駅前広場には鳩がいます。そこは駅の広場だけど、毎週末にはフリーマーケットが開催されていますし、公園のような感じです。待ち合わせをする人、お弁当を食べる人、本を読む人、木陰に腰かけてぼんやりしている人など、ほんとうに憩いの場と言ってもいいくらいです。だから、そこには鳩が似合います。通勤で通る時にも、のどかなだなぁって感じるんです。
先日もそう思いながら駅前広場を通りすぎて職場に向かっていたら、道路わきの植木の下に2羽のスズメの姿を見つけたんです。雨上がりだったから歩道にできた小さな水たまりのところにいました。水を飲んでいたようにも、羽を洗っていたようにも見えました。思わず「可愛い」と声に出し、「こんなところにいたんだ」という温かい気持ちになりました。その日私は思いがけない発見に、とってもいい気分で職場に向かいました。

音楽の記憶

この前、ラジオから流れてきた曲はすごく懐かしい曲でした。イントロを聞いただけで、なんだか胸がキュンとなってしまったんです。「なんだこの現象は」と自分でも驚きました。その曲はドラマの主題歌にもなっていたから、そのドラマも思い出しました。毎週楽しみにして観ていたなぁと、なんだかしみじみしてしまうほどです。そして、そのドラマが大好きになったから原作ももちろん読みました。ドラマを先に見たから、原作もその女優さんや俳優さんのイメージを持ちながら読んでいたっけ。本当に夢中だったなぁ。それに糸が繋がっていたかのように、その頃のことが次々と思い出されてきました。やっぱり、記憶には聴覚が一番影響するのかもしれません。ビューンって一瞬にして過去の自分に戻ってしまいますものね。そんな時には少しだけ戻りたいっていう気持ちになります。だからと言って、それはうしろ向きな気持ちではありません。イイことも悪いことも音楽と一緒に美しくなって流れてくるんです。流れの中にもう一度入りたいなっていう感覚です。
ラジオは時折、こんな風に思いがけない歌に再会できるところがいいんです。耳にした瞬間「あっ、この歌」って心が踊りますもの。その日も思いがけず、素敵な時間だったなぁってその後も懐かしく温かい気持ちでいっぱいでした。

感動できますように

先日、朝、出勤したら後輩が目を腫らしていたんです。彼氏と喧嘩でもしたのかと聞いてみたら、そうではなく原因は読書でした。実話に基づいた恋愛小説で、彼氏が病気と闘うことになるストーリーだそうです。読み始めたらやめられなくなって、ついつい深夜まで読んじゃって、なおかつ号泣したらしいんです。そうなんですよね。夜に泣くと、翌朝に瞼が腫れることを私はよく知っています。今までに何度も経験がありますもの。そうなったら熱いタオルを瞼に充てて応急処置をしたものです。彼女にも教えてあげたから、しばらくタオルを当てていました。
そんなことがあってから数日後、彼女にその本を勧めれたんです。話題になってるのは知ってたけど、まだ読んではいないってこの前話したからです。「絶対に涙が止まらなくほど感動するから、読んでほしい」って。そんないきさつがあって、私は会社の後輩からその本を借りました。でも、こういうのって本当はちょっと苦手なんです。たぶんイイ本なんだとは思うけど、本当に涙が止まらなくなるほど私も感動するかどうかはわかりません。映画だって、あまりにも前評判が良すぎると、私って入り込めなくなるんです。期待しすぎて。
万が一、本当に涙が止まらなくなったらと考えて、寝る前に読むことは避けようと思っています。電車の中も危険です。そう思うから、まだ読み始めていません。でも、一番心配なのは、そこまで感動できなかったときのこと。彼女の期待を裏切りたくないという気持ちもありますしね。だからと言ってウソは嫌です。「本当に感動できますように」って、今、祈るような気持です。