銀河鉄道の夜

先日、テレビで宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』が取り上げられていました。初めは真剣に見ていたわけでなく、BGMのように流れていたといった感じだったんだけど、「実はこの物語の舞台は外国ではなく日本なんです」という声が聞こえて、思わずテレビの前に行きました。昔、読んだことがあるけど、登場人物は日本人じゃなかったはずです。「さぁ、日本のどこでしょうか」「それは岩手県なんです」もう他のことをしてはいられませんでした。その後は、ソファに座って本格的にテレビを見てしまいました。まさかの岩手県? 意外だとの思いでいっぱいでした。なんせ、主人公は『ジョバンニ』でその友人は『カムパネルラ』ですから。テレビの解説では、私が知らなかった物語の真実が語られていました。観終わった時には、頭の中はもう『銀河鉄道の夜』のことでいっぱいでした。最近はつい話題になっている現代の作家さんの小説ばかりを読んでいました。失礼だけど、「中学生じゃあるまいし、今さら宮沢賢治なんて」といった気持ちもありました。でも、ちゃんと読めていなかったみたいです。
そういえば、テレビで話していたことで、「そうだったのか」と思ったことがあったんです。実は随分前に、友人とふらっと入ったオシャレなバーがあるんですけど、そのお店の中には宮沢賢治にまつわるものがたくさん置いてあったんです。マスターがファンだからって。そして、お店の名前が『イーハトーブ』でした。それって、宮沢賢治の造語で、理想郷を意味している言葉なんですって。それも岩手県がモチーフらしいんです。今、私の最大の興味は『宮沢賢治』以外の何物でもありません。