音楽の記憶

この前、ラジオから流れてきた曲はすごく懐かしい曲でした。イントロを聞いただけで、なんだか胸がキュンとなってしまったんです。「なんだこの現象は」と自分でも驚きました。その曲はドラマの主題歌にもなっていたから、そのドラマも思い出しました。毎週楽しみにして観ていたなぁと、なんだかしみじみしてしまうほどです。そして、そのドラマが大好きになったから原作ももちろん読みました。ドラマを先に見たから、原作もその女優さんや俳優さんのイメージを持ちながら読んでいたっけ。本当に夢中だったなぁ。それに糸が繋がっていたかのように、その頃のことが次々と思い出されてきました。やっぱり、記憶には聴覚が一番影響するのかもしれません。ビューンって一瞬にして過去の自分に戻ってしまいますものね。そんな時には少しだけ戻りたいっていう気持ちになります。だからと言って、それはうしろ向きな気持ちではありません。イイことも悪いことも音楽と一緒に美しくなって流れてくるんです。流れの中にもう一度入りたいなっていう感覚です。
ラジオは時折、こんな風に思いがけない歌に再会できるところがいいんです。耳にした瞬間「あっ、この歌」って心が踊りますもの。その日も思いがけず、素敵な時間だったなぁってその後も懐かしく温かい気持ちでいっぱいでした。

感動できますように

先日、朝、出勤したら後輩が目を腫らしていたんです。彼氏と喧嘩でもしたのかと聞いてみたら、そうではなく原因は読書でした。実話に基づいた恋愛小説で、彼氏が病気と闘うことになるストーリーだそうです。読み始めたらやめられなくなって、ついつい深夜まで読んじゃって、なおかつ号泣したらしいんです。そうなんですよね。夜に泣くと、翌朝に瞼が腫れることを私はよく知っています。今までに何度も経験がありますもの。そうなったら熱いタオルを瞼に充てて応急処置をしたものです。彼女にも教えてあげたから、しばらくタオルを当てていました。
そんなことがあってから数日後、彼女にその本を勧めれたんです。話題になってるのは知ってたけど、まだ読んではいないってこの前話したからです。「絶対に涙が止まらなくほど感動するから、読んでほしい」って。そんないきさつがあって、私は会社の後輩からその本を借りました。でも、こういうのって本当はちょっと苦手なんです。たぶんイイ本なんだとは思うけど、本当に涙が止まらなくなるほど私も感動するかどうかはわかりません。映画だって、あまりにも前評判が良すぎると、私って入り込めなくなるんです。期待しすぎて。
万が一、本当に涙が止まらなくなったらと考えて、寝る前に読むことは避けようと思っています。電車の中も危険です。そう思うから、まだ読み始めていません。でも、一番心配なのは、そこまで感動できなかったときのこと。彼女の期待を裏切りたくないという気持ちもありますしね。だからと言ってウソは嫌です。「本当に感動できますように」って、今、祈るような気持です。