子供は走る

この前、夕方にワンコのお散歩に行った時に、下校中の小学生に会いました。みんな元気に走ってたから、うちのワンコもそれにつられてはしゃいでいました。子供って急いでなくても走ってますよね。何か嬉しいことがあったときにも。ご機嫌だとスキップしたりもしますしね。この前読んだ小説にもそんなことが書いてありました。タイムリープもので、舞台は江戸時代だったんだけど、平成からそこに迷い込んだ主人公たちが、喜んで走っている子供を見て、「平成の子供と同じだな」って話していたんです。いつの時代も子供は同じだと。本当にそうだと思います。特に嬉しい時にはなおさらです。私だって、遊園地で父からボートに乗ってもいいって言われたら、「やったー」ってボート乗り場まで走って行ったのを覚えています。学校帰りにはスキップをしながら帰った記憶もあります。大人になってからスキップなんてしたことありません。そもそも今でもできるのかなってことなんですけど。そんな子供の頃が懐かしいです。その日、小学生たちの後ろ姿を見送ってから、まだピョンピョンとはしゃぐワンコにこう言いました。「お家まで走ろうか!?」私が駆け出すのを見て、嬉しそうに勢いをつけるワンコ。家に着いた時には、息切れが……。でも、久しぶりに楽しいお散歩でした。

日々の趣を肌で感じる事

数日前から読んでいる長編小説は、時間がとてもゆっくりと流れるしっとりとした物語です。主人公の女性は中古の着物屋を一人で経営しており、凛としていて暮らしの中にある自然の変化を感じることが出来る趣ある素敵な女性です。彼女が自らユニホームと称する着物を上手に着こなしているところは非常に粋だと感じています。またヒロインが住んでいるところは私が以前から一度は訪れてみたい昭和の名残が残る街でもあります。その街にあるレトロなカフェ、おでん屋などはどれも魅力的で美味しそうな食べ物が多々登場するためか、お腹が空いてしまうこともしばしばです。先日老舗和菓子屋さんのお菓子が綴られているページを読んでいた時私も甘いものが食べたくなり、近所のおばあちゃんが経営する和菓子屋へ行き、すあまを購入してペロリと平らげたのでした。
色々なジャンルの小説を読みますがこのようなホッコリとした作品を欲することも多く、このような作品から四季折々の変化やそれに伴う食べ物、街の風景など再発見することが多々あるものです。そしてこうした日々の何気ない変化の中で綴られる家族や恋人との関係を読んでいると、季節と同じく暮らしもまた巡ってゆくものなのだと思えるようになりました。私もこの小説の主人公のように、しっとりと日本的情緒を肌で感じる事のできる女性でありたいものです。