モデルになっている町

小説を読んでいるとそこに登場する町が実際にあるのかどうかが気になる時があります。その風景描写や駅名や周りの様子が鮮明に描かれていて、目に見えるような気がするからです。「ここまでの描写は実際にそこを知らなかったら書けないでしょ」って思うんです。実在の地名が出て来るときもあれば、そうでない場合もあるんですよね。けど、そうでない場合には大概はそのモデルになっているところがあるようです。この前、読んでいた小説も舞台になってる島が本当にある島なのかどうかなって思っていたんです。地理に疎い私は、島の名前を見たところでピンともきません。そしたら、最後にある作家さんがその小説のあとがきを書いていて、そこに記載があったんです。著者の生まれ故郷がモデルになっているって。それを読んで初めて、その真実を知ったんです。でも、そこに書かれている土地柄や名産品なんかはモデルになっている島のことを忠実に描写してあるらしいんです。そういえば、別の小説に関して、そのモデルになっている町について書かれていた記事を読んだことがあるのを思い出しました。映画化もされたその物語はアニメーションにも関わらず、モデルになったと言われる町には、その場所を見てみたいという沢山の人で溢れていたんです。これがまた、実在する場所が忠実にアニメーションとなっているところが大絶賛だったんです。私も今までに読んだ物語の舞台に、もし行けるのなら、自分のイメージと同じなのかどうか確かめてみたいって思います。

プールの匂い!?

先日、こんな事がありました。友人とその息子ちゃんと一緒に出掛けることになって、彼女の家まで車で迎えに行ったんです。友人にゆっくり会うのも久しぶりだったから、子連れだとしても全く気にせず楽しみにしていました。彼女の家に着いて、二人が乗り込んで来た時の事です。息子ちゃんが「わぁ、なんか匂いする」って嬉しそうに言ったんです。そうなんです。納車してもらってから、そんなに日にちが経ってないから新車の匂いがしたはずなんです。なんだか私も嬉しくなって「そうでしょう」と言おうとしたその瞬間、彼に先を越されました。「これ、プール。あっ、浮き輪だ」って。意外な言葉に思わず、「なんですって!?」新車の匂いをよくもそんな風に例えてくれました。けど、子供にしたらそれがピッタリだったのかもしれません。そう言われれば、そうかもって思えてきたんだもの。大人にはない発想でした。けど、プールとか浮き輪とかって言葉自体、久しく聞いてなかったような。そう思っていたら、ある作家さんの本を思い出したんです。その作家さんのいくつかの小説に「プール」が出て来ていたんです。ミステリーだから、事件にまつわる場所として登場していたんだけど、考えてみたら私が知っているだけでも3作品あります。なんだかそれ以来、新車の匂いがプールの匂いに結びついてしまって、乗るたびに小説の場面を思い出すようになってしまったんです、私。