昨晩20年前に放映されたドラマをDVDで鑑賞しました。刑事が事件を解決してゆくもので、個性溢れる登場人物達がとてもユニークなところがこの作品の最大の魅力です。もう一つ私が印象に残ったのは、20年という歳月で大きく変わった都心の街並みです。犯人逮捕の舞台となるところは、湾に面したカフェテラスで、今はたくさんの人々で賑わうショッピングモールがあり、海には砂浜が造られていて観光スポットにもなっています。ドラマが放映された当時はまだそこまで発展しておらず、荒涼としたサスペンス作品にぴったりのシチュエーションでした。また世紀末の焦燥感のようなものが、どこかクールに描かれていたことが非常に印象深く心に残っています。
私がこのドラマを鑑賞しながら頭に浮かんだのは、もう何年も前に読んだ現代アートについて書かれた本でした。都心で活躍するアーティスト達を紹介する作品で、独自の世界観を持った活動をしている芸術家達からは「芸術とは生きること」という言葉がぴったりだと感じまたものです。また都心の風景はまだ成長途中で、希望の香りを匂わせていたことは言うまでもありません。
この書籍を読んでいた頃、高層ビルの中層部に位置するレストランから都心を眺める機会がありました。その光景は今でも鮮明に思い出されるほどに胸の奥に刻まれています。どこまでも続く空、そびえ立つ高層ビルと遠くの海がとても美しかったからです。そしてこれが完成された街なのだと感じたことが思い出されます。しかしながらあれから長い歳月が過ぎた今でも発展し続けている様子を見ていると、街は人と一緒に進化を遂げ続けるのだと思うようになりました。そして変わりゆく街と供に私も年を重ねてゆくのだと改めて知りました。