すっぱいブドウ

小学生のころに、よく童話集などを読んだりしていました。とくに人魚姫が好きだったと記憶しています。話は悲しいお話だけど、人魚という存在に憧れがあったし、ストーリーも子供心にこれからどうなっちゃうんだろうってドキドキしました。
そんな童話集をいろいろ読んでるときに、不思議なお話がありました。それはこんな内容です。

キツネが高い木の上にある美味しそうなブドウを見つけます。そのブドウをなんとかして食べようと思ったけど、まったく手が届かず、食べることを諦めるしかありません。ブドウの木から立ち去る際に、キツネは「どうせあのブドウはすっぱくて美味しくもないに決まってる」といいました。

おわり。

え?なにこの話。これが子供の頃のこの話を読んだ感想です。短い上に人魚姫や白雪姫みたいなストーリー性もありません。子供からしたら夢もなくおもしろくもないお話で一体なんだったんだろうって。

これはイソップものがたりの有名な寓話の一つです。ストーリー性ではなく、自己の能力の低さを正当化したり擁護する…負け惜しみを表したお話です。今となったら、この短いお話の中で負け惜しについてを端的に表したすぐれた寓話なんですけど子供には理解できなかった(笑)
童話や昔ばなしって結構社会風刺や教訓を含んだ物が多いですよね。こういうことをしたらバチが当たるんだとか、いいことをすれば最後は報われるんだとか。すっぱいブドウは、負け惜しみはダサいってことを、当時は理解できなくても教えてくれていたんですね(笑)

美しい日本語表現

私が読書が好きな理由のひとつとして、日本語の美しさがあります。
単語ひとつとっても、いろいろな表現がありますよね。
ただ表現をするだけではなく、日本人、日本語特有の美しさが好きです。
いくつか好きな日本語表現をあげていこうと思います。

・花鳥風月(かちょうふうげつ)
自然の美しい景色のことです。
それを花、鳥、風、月で表すのって素敵じゃないですか?

・朧月夜(おぼろづきよ)
春の夜に月が霧やもやなどでほのかに霞んでいる景色
字面も言葉の響きも美しいです。
月を表現す言葉は美しいものが多いです。

・黄昏(たそがれ)
薄暗くなった夕方。
こちらも言葉の響きが美しいです。
夕方ひとつとっても、こうやっていろいろな表現があるのは素晴らしいです。

・恋煩い(こいわずらい)
恋によって悩み、まるで病にかかたかのようになる様子。
恋をするって素敵だけど、苦しく悩むことも多いと思います。
それを病気として表現するのも美しく感じます。

・胡蝶の夢(こちょうのゆめ)
夢と現実の境が曖昧なこと。人生の儚さ。
使い所は難しいですが、本当に美しい表現。

などなど上げたらきりがありません。
もっとたくさんご紹介したいですが、終りが見えないのでこの辺にしておきます。
みなさんはどのような表現がお好きですか。