語りかける木

朝は寝過ごさないようにと、10分刻みでアラームをかけています。けど、大概はそのアラームより先にワンコに起こされます。ただ、鳴き声で目が覚めてはいるんだけど、アラームが鳴るまで起きないから、結果ワンコには我慢させてしまっています。
でも、先日は、随分早くにお散歩の催促でした。時計を見たら、アラームが鳴るまで1時間以上あります。無視してもう少し寝ようと思ったんだけど、あまりのやかましさに寝てはいられませんでした。「こんなに早くから鳴き過ぎでしょ」と文句を言いながら、もう起きるしかありませんでした。でも、外に出て朝の新しい空気を吸い込むと、全身が目覚めるようでとても清々しい気持ちになりました。いつものお散歩のコースも時間が違うと景色も違って見えます。池の周りを歩いていたら、鳥の声も聞こえてきます。そして、大きな木が目に留まりました。たぶん、いつもそこに立っているはずなのに、その日に初めて見たような気分になりました。なぜなら、何かを語りかけてきてるような気がしたんです。「今日はイイことがあるよ」と言ってくれてるような。その木を見上げながら、以前に読んだ小説を思い出しました。病気で入院している少女が毎日、病室の窓から大きな木を見ていたんです。そして、その木が少女に語っていたんです。池のそばのその木も高いところから毎日、きっと色んな風景を眺めているんですよね。早起きもたまにはいいですね。