お菓子作りって、気が向いたときにふらっと始めるとそれなりに楽しいんだけど、いざ始めると「なんでこんなに材料と手順多いんだ……?」って一瞬後悔することが…。
でも不思議なことに、生地を混ぜ始めた瞬間から気持ちがスッと切り替わって、「まあいいか、楽しむか」みたいなモードに入るんですよね。
あの、バターと砂糖を混ぜたときのクリーム色の変化とか、卵を加えるとふわっとなめらかになっていく感じとか、なんかずっと見ていられる。
この前なんて、読書の合間に「クッキーでも焼くか」って軽いノリで作り始めたら、生地を寝かせてる時間に本を読むのが妙にハマって、なんだか“優雅な午後”みたいな気分になりました。
オーブンから広がってくる甘い匂いも相まって、小説の登場人物になったかのような、ちょっとした非日常感が味わえるんですよね。
でもお菓子作りの面白いところは、ちゃんとレシピ通りにやったはずなのに、仕上がりが毎回微妙に違うところ。
気温とか材料の温度とか、ちょっとした混ぜ方の差で食感が変わったりします。
そこがまた楽しくて、「今回はサクサク寄りだったな」「次はしっとり狙ってみるか」みたいに、謎の研究者モードに入ります。
たまに失敗するとショックなんだけど、それでも不思議と嫌にならない。
むしろ「じゃあ次どうしよう?」って前向きになるのが、お菓子作りの魔力というか。盛大に焦がした日のことですら、あとで思い返すとちょっと笑えてきます。
そして最大のご褒美は、出来立てを食べる瞬間。
焼き立てのクッキーのサクッとした音とか、冷蔵庫でしっかり冷やしたチーズケーキのなめらかさとか、その一瞬のために頑張ったと言っても過言じゃありません。
読書のお供に自分で作ったお菓子を並べると、それだけでちょっといい時間を作れた気がします。
そんなわけで、お菓子作りは手間もハプニングも含めて全部楽しいです。