日記をつけることは、自分の心と静かに向き合う時間だと思っています。
忙しい毎日の中で、頭の中に浮かんでは消えていく感情や出来事を、そのままにしておくと、いつの間にか自分でも分からなくなってしまいます。
そんなとき、日記は気持ちをそっと受け止めてくれる存在です。誰かに見せるものではなく、自分だけのために書くからこそ、正直な言葉が残せるのだと思います。
日記を書く時間は、読書に少し似ています。
本を読むときと同じように、外の世界から一度距離を置いて、自分の内側に意識を向ける感覚があります。
今日はどんな一日だったのか、何に心が動いたのかを振り返りながら、ゆっくりと言葉にしていく。その過程で、自分の本当の気持ちに気づくことも少なくありません。
また、日記を続けていると、あとから読み返す楽しみも生まれます。
過去の日記を開くと、その頃の悩みや喜びが、まるで小説の登場人物のように少し距離を持って見えてきます。
当時は必死だった出来事も、時間が経つと「そんなこともあったな」と穏やかに受け止められるようになるのが不思議です。
女性は日々、さまざまな役割や感情の間を行き来しています。
仕事の顔、家庭の顔、友人としての自分。その切り替えに疲れたとき、日記は「何者でもない自分」に戻れる場所になります。
うまく書こうとしなくても、きれいな文章でなくても大丈夫です。その日の気分のままに書いた言葉こそが、後になって自分を支えてくれることもあります。
日記をつけることは、自分自身の物語を少しずつ積み重ねていくことだと思います。
派手な出来事がなくても、何気ない一日が確かにそこにあった証になります。
これからも、読書のように心を落ち着かせる時間として、日記を大切に続けていきたいです。