フリーマーケットで生演奏?

毎週末に職場の最寄り駅の駅前広場で開催されてるフリーマーケット。週末にやってることは知ってるのに、いつも駅を降りてからそれを見て、「アッ、今日だったんだ」って思うんですよね。仕事に行くときには曜日を意識してないからです。時間がないときは、そのまま素通りです。でも、ちょっとでも余裕があれば、駆け足になっても、とりあえずひと回りはしてみます。その日に売られているものをサラッと見て、「こんな物まで売るの?」って驚いたり、笑ったりします。もちろん、少しだけ並べられてる本のブースは覗きます。けど、先日は電車が遅れたせいで、余裕がなく急いでたから、そのまま広場を横切ってたら、いつもと違う光景が飛び込んできたんです。広場の端っこの木の下に小学校1年生くらいの男の子が立ってたんです。一人の女性と並んで。なんとバイオリンを手にしてるじゃありませんか。そして、その場で弾き始めたんです。なんだか、物語の1ページのような光景に、急いでるにも関わらず思わず立ち止まって見てしまいました。フリーマーケットに生演奏まで登場したことに驚かずにはいられません。でも、時間に追われていた私はそれを聞いてはいられません。後ろ髪を引かれる思いで歩み始めました。背中に流れてくるバイオリンの音色に、頭の中にはその子の姿が浮かびました。そして、彼の足元には黒いハットでも置いてあったのかな、なんて考えながら職場へと急ぎました。